○夷隅郡市広域市町村圏事務組合消防本部警防規程
令和4年2月1日
訓令第1号
夷隅郡市広域市町村圏事務組合消防本部警防規程(平成2年夷隅郡市広域市町村圏事務組合訓令第19号)の全部を改正する。
目次
第1章 総則(第1条・第2条)
第2章 活動体制(第3条―第5条)
第3章 警防対策(第6条―第9条)
第4章 警防調査及び計画(第10条―第13条)
第5章 災害出動(第14条―第17条)
第6章 災害現場指揮(第18条―第23条)
第7章 災害現場活動(第24条―第29条)
第8章 訓練(第30条―第34条)
第9章 安全管理(第35条)
第10章 報告(第36条)
第11章 消防応援体制(第37条・第38条)
第12章 雑則(第39条・第40条)
附則
第1章 総則
(趣旨)
第1条 この訓令は、消防組織法(昭和22年法律第226号。以下「組織法」という。)及び消防法(昭和23年法律第186号。以下「法」という。)に基づき、火災、水災、地震及びその他の災害(以下「火災等」という。)から住民の生命、身体及び財産を保護するため、夷隅郡市広域市町村圏事務組合消防本部の警防業務及び消防活動上必要な事項を定めるものとする。
(1) 消防隊とは、消防器具を装備した消防吏員の一隊をいい、指揮隊、消火隊、救助隊及び救急隊の総称をいう。
(2) 警防業務とは、警防計画の策定、消防活動の検討、警防調査、各種訓練及び演習その他これらに類するものをいう。
(3) 消防活動とは、災害の警戒及び被害の軽減並びに人命救助のために行う消防機関の行動をいう。
(4) 救助活動とは、災害又は事故により生命又は身体が危険な状態にある者を救助するために行う消防機関の行動をいう。
(5) 管轄区域とは、夷隅郡市広域市町村圏事務組合消防本部及び消防署の設置等に関する条例(平成2年夷隅郡市広域市町村圏事務組合条例第7号)第4条に規定する管轄区域をいう。
(6) 現場最高指揮者とは、災害現場において消防隊を総括指揮する者をいう。
(7) 各級指揮者とは、大隊長、中隊長及び小隊長の総称をいう。
(8) 現場指揮本部とは、消防活動全般を統括する指揮拠点をいう。
(9) 指揮隊とは、災害現場における情報収集及び現場指揮支援並びに安全管理等を任務とする隊をいう。
第2章 活動体制
(警防責任)
第3条 消防長は、消防活動の最高方針を決定し、消防活動を指揮統括する。
2 次長は、消防長を補佐し、消防長に事故あるときは消防業務に関してその職務を代行するものとする。
3 警防課長は、消防事情の実態を把握し、これに対応する警防体制の確立を図り、警防業務に万全を期するものとする。
4 消防署長(以下「署長」という。)は、管轄区域内の消防事情の実態を把握し、これに対応する警防体制の確立を図るとともに所属職員を指揮監督して、警防業務に万全を期するものとする。
5 各級指揮者は、平素から担当する任務に応じて警防事情の把握、消防活動に関する知識、技術の向上及び体力の錬成に努めるとともに、隊員を教育訓練するものとする。
6 隊員は、平素から担当する任務に応じて地理、水利、建物の状況等に精通するとともに、消防活動に関する知識、技能の習得及び体力の錬成に努めるものとする。
(消防隊の編成及び呼称)
第4条 消防隊は、隊長及び所要の隊員並びに消防自動車等をもって編成するものとする。
2 消防隊は、その編成により小隊、中隊及び大隊と呼称する。
3 小隊、中隊及び大隊の編成は、原則として次の各号に掲げるところによる。
(1) 小隊は、消防隊1隊をもって編成し、小隊長は消防司令補以上の階級にある者をもって充てる。
(2) 中隊は、2以上の小隊をもって編成し、中隊長は消防司令補以上の階級にある者をもって充てる。
(3) 大隊は、2以上の中隊をもって編成し、大隊長は消防司令以上の階級にある者をもって充てる。
4 消防隊編成の人員等については、署長が別に定める。
(特定隊員の任命)
第5条 消防長は、車両及び特殊資器材の効果的な運用を図るため、適応した研修の修了者又は資格取得者の中から隊長、副隊長及び隊員を命ずるものとする。
2 署長は、水難救助隊等の編成をするものとする。
3 水難救助隊等の運用については、消防長が別に定める。
第3章 警防対策
(出動の強化)
第6条 消防長、警防課長又は署長は、特殊気象状況又は水道の断水等で消防活動上支障あると認めた場合は、事前に出動の強化を発令する等必要な措置を講ずるものとする。
2 警防課長又は署長は、火災等の通報内容又は現場の状況から判断して、消防隊の増強を図る必要があると認めたときは、その地域の実情に応じて必要な措置を講ずるものとする。
(出動の制限)
第7条 警防課長又は署長は、火災等の通報内容又は現場の状況から判断して、所定の出動隊を要しないと認めたときは、消防隊の出動を制限する等の措置を講ずることができる。
(特別警戒)
第8条 消防長及び署長は、年末年始又は催物等で警戒の必要があると認めたときは、特別警戒を実施するものとする。
2 署長は、前項に規定する警戒を実施するときは、事前に消防長に報告するものとする。
3 署長は、前2項による警戒が終了したときは、速やかに消防長に報告するものとする。
(火煙、煙火等の届出の処理)
第9条 署長は、夷隅郡市広域市町村圏事務組合火災予防条例(平成2年夷隅郡市広域市町村圏事務組合条例第8号)第45条の規定による届出があった場合、内容の確認を行うとともに、必要に応じ現地調査を行い処理するものとする。
第4章 警防調査及び計画
(警防調査)
第10条 消防長及び署長は、災害発生時消防活動が困難と認められる防火対象物並びに地理及び水利の状況について把握するため、警防調査を実施するものとする。
(1) 地理水利調査
(2) 中高層建築物調査
(3) 危険物貯蔵取扱施設調査
(4) その他の調査
(警防計画)
第11条 警防計画は、消防本部警防計画(以下「本部警防計画」という。)及び消防署警防計画(以下「署警防計画」という。)に区分するものとする。
(本部警防計画)
第12条 消防長は、次の各号に掲げる本部警防計画を策定するものとする。
(1) 火災等出動計画
(2) 警防通信計画
(3) その他の警防計画
(署警防計画)
第13条 署長は、次の各号に掲げる署警防計画を策定するものとする。
(1) 危険区域警防計画
(2) 特殊建築物警防計画
(3) 危険物施設警防計画
(4) その他消防活動困難施設等警防計画
2 署長は、前項の規定により署警防計画を策定したときは、消防長に報告するものとする。
第5章 災害出動
(出動の原則)
第14条 消防隊の出動は、第12条に規定する火災等出動計画に基づき、ちば消防共同指令センター(以下「指令センター」という。)からの出動指令により行うものとする。ただし、緊急の場合で出動指令を待ついとまがないときは、この限りでない。
2 出動した消防隊は、出動途上の災害状況、その他特異事象を発見した場合は、逐次その状況を現場最高指揮者又は指令センターへ報告するものとする。
(出動種別)
第15条 消防隊の出動種別は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 火災出動 火災の防除、警戒及び鎮圧等、火災による災害の拡大を最小限にとどめるための出動
(2) 救急出動 災害若しくは事故等による負傷者又は急病人を医療機関等へ適切に搬送するための出動
(3) 救助出動 各種災害における人命救助のための出動
(4) その他の出動 前各号以外の出動
(出動区分)
第16条 消防隊の出動区分は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 第1出動 災害を覚知したときの、通常の初動出動
(2) 第2出動 現場最高指揮者からの要請又は覚知の状況等により消防隊増強の必要があるときの出動
(3) 第3出動 災害が拡大し、第2出動までの消防隊では活動が困難なため、現場最高指揮者からの増強要請に基づく出動
(4) 特命出動 特定の消防隊を出動させる出動
(消防長等の出動)
第17条 消防長、次長、警防課長及び署長は、原則として次の各号により災害現場へ出動するものとする。
(1) 消防長及び次長 第3出動で特に必要と判断する場合
(2) 警防課長 第3出動の場合又は第2出動で特に必要と判断する場合
(3) 管轄署長 第2出動の場合又は第1出動及び特命出動で特に必要と判断する場合
(4) 前各号以外の次長、課長及び署長の出動は、消防長の命による。
第6章 災害現場指揮
(指揮系統)
第18条 災害現場の指揮系統は、原則として次のとおりとする。
消防長―次長―警防課長―署長―大隊長―中隊長―小隊長
(現場最高指揮者)
第19条 現場最高指揮者は、原則として次の各号に掲げる者とする。
(1) 消防長 大規模又は特異な災害で消防長が指揮をとる必要があると認めた災害
(2) 警防課長 第3出動の災害及び第2出動で警防課長が特に指揮をとる必要があると認めた災害
(3) 管轄署長 第2出動の災害及び第1出動で署長が特に指揮をとる必要があると認めた災害
(4) 前各号に掲げる以外の出動の指揮者にあっては、上級指揮者(同階級のときは、災害発生管轄指揮者)とする。
2 同時に第2出動以上の災害が発生し、その規模が大で、かつ必要があると認た時は、消防長が統制する。
3 現場最高指揮者は、上級指揮者が災害現場に到着したときは、速やかに災害経過及び活動概要を報告しなければならない。
(現場最高指揮者の任務)
第20条 現場最高指揮者は、災害及び活動状況を的確に把握し、消防活動の統括的な活動方針その他調整すべき事項について決定するものとする。
(指揮隊の編成及び活動要領)
第21条 指揮隊の編成は、消防隊の小隊をもって編成するものとする。
2 指揮隊の活動要領については、消防長が別に定める。
(現場指揮本部)
第22条 現場最高指揮者は、第16条第1項第1号から第3号までに規定する災害出動で必要があると認めたときは、現場指揮本部を設置するものとする。
(現場指揮本部の構成及び運用)
第23条 現場指揮本部の構成は、別表のとおりとする。
2 現場指揮本部の運用については、消防長が別に定める。
第7章 災害現場活動
(災害現場活動の原則)
第24条 災害現場活動は、人命救助を最優先とし、災害の拡大防止及び鎮圧を原則とする。
(大隊長等の任務)
第25条 災害現場における、大隊長等の任務は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 大隊長は、現場における消防隊の中枢として最大の消防活動効果を挙げるよう努めるものとする。
(2) 中隊長は、大隊長の命令を受け小隊長以下を指揮し、速やかに自己担当面の活動方針を決定し、消防活動にあたるものとする。ただし、命令を受けるいとまがないときは、自己の判断によるものとする。
(3) 小隊長は、中隊長の命令を受け隊員を指揮し、速やかに自己隊員の担当任務を決定し、消防活動にあたるものとする。
(4) 隊員は、自己隊の任務を的確に把握して修得した技能を最高度に発揮し、資器材を十分に活用して消防活動にあたるものとする。
(消防活動運用基準)
第26条 消防長は、消防活動を効果的に実施するため、消防活動運用基準を別に策定するものとする。
2 警防課長及び署長は、消防活動運用基準に基づき、所属職員を教育訓練し、消防活動の万全を期するものとする。
3 各級指揮者及び隊員は、消防活動運用基準により効果的な消防活動を行うよう努めるものとする。
(警戒区域の設定)
第27条 法第23条の2第1項に規定する火災警戒区域の設定者は、現場指揮本部長又は現場最高指揮者とする。
2 各級指揮者は、必要に応じ法第28条第1項の規定による消防警戒区域又は水防法(昭和24年法律第193号)第21条第1項の規定による警戒区域を設定し、住民等の退去又は立入の制限等適切な措置を講ずるものとする。
(再燃の防止)
第28条 現場指揮本部長又は現場最高指揮者は、夷隅郡市広域市町村圏事務組合消防本部再燃火災防止要綱(平成30年夷隅郡市広域市町村圏事務組合告示第5号)に基づき、的確な措置を行い再燃火災等の事故発生防止に努めるものとする。
(消防活動検討会)
第29条 消防長は、消防活動の向上を図るため第3出動以上の災害又は特異な災害で必要があると認めたときは、消防活動検討会(以下「検討会」という。)を開催するものとする。
2 署長は、第2出動以上の災害又はその他特異な災害で必要があると認めたときは、前項の規定に準じて検討会を開催するものとする。
第8章 訓練
(訓練の計画的実施)
第30条 警防課長及び署長は、所属職員に対して消防活動に必要な知識及び技術の習熟を図るため、計画的に訓練を実施するものとする。
(訓練の種別)
第31条 訓練の種別は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 警防訓練 火災現場等における警防技術の向上を図るために行うもの
(2) 救助訓練 各種災害又は事故現場等における人命救助技術の向上を図るために行うもの
(3) 救急訓練 負傷者又は急病人の応急処置等救急技術の向上を図るために行うもの
(4) 総合訓練 前各号の訓練を総合的に実施するもの
(訓練の区分)
第32条 訓練の区分は、次の各号に掲げるとおりとする。
(1) 基本訓練 指揮者又は隊員として、消防活動を安全、確実、迅速に行うための基本及び応用技術を体得するために行うもの
(2) 小隊訓練 基本訓練で体得した技術を活用して、火災現場に対応した小隊活動及び小隊連携要領を訓練し、小隊としての活動能力の向上を図るために行うもの
(3) 中隊訓練 小隊訓練で体得した技術を活用して、中隊として組織的な災害対応能力の向上を図るために行うもの
(4) 合同訓練 中隊又は消防隊と管内の自治体、事業所、消防団、警察、医療機関、近隣の消防本部等(以下「関係機関」という。)が合同で行うもの
(訓練効果確認)
第33条 警防課長及び署長は、前条に規定した訓練の効果確認を定期的に行い、その結果を評価検討して、事後の消防活動及び訓練に反映させるものとする。
(合同訓練の推進)
第34条 消防長、警防課長及び署長は、地域における防災機関の中枢として主導的役割を果たすべき社会的責任を有するとの共通認識のもと、組織及び職員の総合的な災害対応能力の向上並びに関係機関との連携強化のため、管内の特性及び社会状況等を考慮した災害又は事故を想定し、関係機関等と合同による訓練を積極的に推進するものとする。
第9章 安全管理
(安全管理)
第35条 災害の現場における消防活動及び訓練における安全管理については、消防長が別に定める。
第10章 報告
(消防活動報告書)
第36条 隊長は、災害で消防活動に従事した都度、別に定める消防活動報告書を作成し、署長に報告しなければならない。
2 警防課長は、次の各号に掲げる消防活動を実施したときは、その活動概要を消防長に報告するものとする。
(1) 建物火災のうち住宅等の全焼火災
(2) 死者の発生した火災
(3) 消防施策上重要と思われる火災
(4) 死者の発生した事故
(5) 消防施策上重要と思われる事故
第11章 消防応援体制
(消防相互応援協定に基づく応援出動)
第37条 組織法第39条の規定に基づく消防相互応援協定による応援出動は、それぞれの協定の定めるところによる。
(緊急消防援助隊の応援出動及び受援計画)
第38条 組織法第44条の規定に基づく緊急消防援助隊の応援出動及び受援に係る計画については、法令等で定めるもののほか、別に計画を定める。
第12章 雑則
(地域防災計画)
第39条 風水害及び地震災害等に関しては、この訓令によるほか、管轄区域の市町の地域防災計画に定めるところによる。
(補則)
第40条 この訓令に定めるもののほか必要な事項は、消防長が別に定める。
附則
この訓令は、令和4年4月1日から施行する。
別表(第23条関係)
現場指揮本部の構成
現場指揮本部 | 第1出動 指揮体制 | 第2出動 指揮体制 | 第3出動 指揮体制 | 特命指揮体制 |
現場指揮本部長 | 大隊長 (指揮隊長) | 管轄署長 | 警防課長 | 消防長 |
現場指揮副本部長 | 中隊長 | 大隊長 (指揮隊長) | 管轄署長 | 次長・警防課長・署長 |
現場指揮本部要員 | 指揮隊員及び現場指揮本部長の指名する消防職員 | 指揮隊員及び現場指揮本部長の指名する消防職員 | 指揮隊員及び現場指揮本部長の指名する消防職員 | 消防本部職員・指揮隊員及び現場指揮本部長の指名する消防職員 |